保険の加入や見直しを検討するときに、「共済」が気になる人も多くいると思います。
保険も共済も基本的な仕組みはほぼ同じです。
みんなで少しずつお金を出し合い、出し合った人の誰かが病気や事故などで困ったときに、みんなで出し合ったお金で助け合う「相互扶助」という仕組みになります。
ここでは、共済の特徴や保険との違いなどについて紹介していきます。
共済とは?
共済は特定の人を対象にしているのが特徴です。
また営利目的の事業ではなく、限られた地域や一定の組織内での助け合いが目的となります。
しかし、一部の共済に限っては、商品も活動も保険会社とほぼ変わらない規模になっているところも。
そういった規模の共済になると、保険と共済の違いは名前だけになっているというケースもあります。
共済の種類について
共済には目的や運営団体によって、たくさんの種類が存在します。
たとえば会社や労働組合が運営している共済は結構身近なものとなります。
独自の福利厚生制度として、「弔慰金」や「見舞金」、「お祝い金」など保険にはあまりみないサービスが用意されているものもあるのです。
また地域のPTA単位で運営している共済もあったりします。
主な共済名は次の通りです。
- 全労済(全国労働者共済生活協同組合連合会)
- コープ共済(生活協同組合)
- 都道府県民共済(全国生活協同組合連合会)
- JA共済(農業協同組合)
- JF共済(漁業協同組合)
- 全自共(全国自動車共済協同組合連合会)
- 日火連(全日本火災共済協同組合連合会)
これらの共済の中でもっとも有名なのが「全労済」「コープ共済」「都道府県民共済」「JA共済」となります。
共済と保険の違いを比較
労働者や消費者に関係する共済は、じつは現在保険と同等の機能を備えています。
非営利団体とはいえ、広報などにも力を入れたりと予算を使い宣伝活動も積極的に行っているのです。
また保険との差別化をするために、たくさんの共済商品も作られています。
そのため単純に共済は安い、シンプルでわかりやすいといった考え方で比較せず、保険と同じように冷静に検討するようにしましょう。
共済と保険の火災補償の比較
各共済が取り扱っている火災補償の商品は次の通りです。
損害保険 | 火災保険 |
---|---|
全労済 | 住まいる共済(自然災害共済・火災共済) |
JA共済 | むてきプラス(建物更生共済) |
コープ共済 | CO・OP火災共済 |
都道府県民共済 | 新型火災共済 |
共済と保険の大きな違いは「契約期間」となります。
共済の場合、火災共済の補償は1年契約がほとんどです。
それに対して火災保険は、基本は1年契約ですが最長10年長期契約が可能となります。
長期契約することで、保険料が安くなる仕組みです。
そのため安く感じる共済も、長期で考えると火災保険の方が安くなることもあるので、しっかりと検討しましょう。
保険料控除ができる共済の種類
損害関連で共済の保険料控除が適用されるのは、「地震保険料控除」のみとなります。
火災保険や火災共済ともに、火災補償単体は保険料控除の対象外となってしまうのです。
しかし地震保険や地震共済を付帯した場合に限り、地震補償の保険料のみが控除対象となります。
共済のメリットとデメリット
共済のメリットとデメリットについて解説します。
共済のメリット
まず一番のメリットは、掛け金が安いところです。
共済商品は短い期間のものが多く、月々1,000~2,000円程度と加入しやすい価格設定になっています。
また、共済には決算で剰余金があると、「割戻金」といって支払った掛け金の一部が返金されるのです。
必ず割戻金があるわけではありませんが、掛け金の一部が戻ってくるのは嬉しいメリットかもしれません。
あとは共済商品の場合、基本的には掛け金が一律なところもメリットといえるでしょう。
保険会社の場合、1歳刻みで保険料が設定されていますが、共済の場合は掛け金が一律なので誕生日が近いからといって慌てて商品を選ばなくても済みます。
共済のデメリット
共済のデメリットは、保険と比べて保障金額が少ないところです。
また高齢になると保障が手薄くなってくる商品もあります。
保障を重視するのであれば、保険と比較して検討するようにしましょう。
共済商品を選ぶときの注意点
共済では保険と異なる部分もあります。
その違いをしっかりと理解した上で、共済と保険を比較する必要があります。
加入者保護の仕組みが違う
保険会社の場合、会社が倒産したときは加入者の保護として「契約者保護機構」が設立されています。
契約者保護機構は、倒産した保険会社の加入者に対して、一定の保護が受けられる仕組みとなっているのです。
一方、共済の場合は保険のような加入者保護の仕組みはありません。
保険料の違い
共済は主に、一定の間の年齢であれば保険料が同じになるため、年齢が高めでも安く加入することが可能です。
とくにケガ重視の商品は、保険会社よりも割安なことが多いので検討してみる価値があります。
しかし、病気重視の商品は、保障内容に違いが出るのでこの場合は、保険料ではなく、保障内容重視で検討しましょう。
まとめ
共済と保険とでは、保険料や保障範囲などそれぞれ特色が異なってきます。
経済的に余裕がない人や、保障が少なくても大丈夫という人は、共済が向いているでしょう。
保険は、一生涯の保障やライフスタイルにあった保障を選びたいという人に向いています。
それぞれの特徴とメリット・デメリットをしっかりと理解した上で比較検討するようにしましょう。